こんにちは、エロライターのさやかです。
今日はまっすぐに届けたい作品があるので、急遽記事を書くことにしました。
先週、「週刊同人ピックアップ」で取り上げた「Sunshower」という作品が、何日たっても私の心の中に甘く引っ掻いたような痕跡を残していて、ずっとそこがチクチク傷んでいました。悲しいお話ではないし、むしろ読み方によっては「甘い恋の物語」。
週刊記事はこちらです。未読の方はさらっと読んで頂いても、私のこの作品にかける熱量が伝わるかと思います。

この作品。私には、なんだか底知れぬ刹那が感じられる作品でした。
感情が揺さぶられて、おさまりがつかない。あの週刊記事を書いてからずっと、そんな日が続きました。
今日はこの作品から感じられる刹那を共有したく、週刊で紹介した「Sunshower」と、その前作となる設定描写がなされている商業誌「三月の雨」を、作品の時系列にそって紹介していきます。
※エモ注意!!(私が勝手にエモくなります)
まずは商業誌「三月の雨」で二人の設定を知る
ストーリーは突然に始まります。卒業間近の女子高生「大塚宮子(みやこ)」と、高校で化学を教える「二川(ふたがわ)先生」の二人の物語です。舞台は化学準備室。
クラスにあまりなじめなかった大塚宮子(以下、宮子)は、放課後は化学準備室に立ち寄るのが日課のよう。その理由は「先生が私に居場所を作ってくれたから」と語られますが、理由はとっても些細な二川先生の優しさからきています。
その優しさが宮子に刺さったのでしょう。彼女は一途に、二川先生に好意を伝えます。
言葉で伝えた後は、体でも伝えていきます。
エッチなカットが多くあるこのページで、一番左下の頭を撫でられたあとの宮子の表情が、たまらなくいとおしいです!!! 私がこの作品を好きな理由はこういう細かな女性の心理描写が、とても刺さるからです。
そしていよいよ、二人が体を重ねようとする際……ちょっとドキッとする演出があります。ここでも宮子が主導となって体を重ねようとしていきます。二川先生は常に受け身……保身に走るしかない立場ですから仕方ないといえば仕方ないのですが……
しかしいざ二川先生が積極的に「大塚……」と呼んで積極的なセックスを始めると、宮子の目にはずっと涙が溜まっています。好きな人と結ばれることのうれしさが、ぎゅっとつまった表情で、ああ、こんなに好きなんだ……! と胸が締め付けられるセックスシーンです。
行為の途中で目を合わせる場面。宮子は「先…生……」と呼ぶだけです。
行為の途中って、ふだんの生活とは異空間。自分と相手の二人だけになります。お互いの気持ちいいところを触ったり、反応を楽しんだり……そのうちにもう余裕も何もなくなって、ただ自分の本体をぜんぶさらけ出す。その時に出てくる言葉って「名前」なんですよね。
名前は、魔法。
言葉のいらないセックスの世界では、名前を呼び合うだけでほとんどのことが通じてしまう。
二川先生から見て、宮子がこの顔。これ、好きな相手じゃなきゃ見せない顔で、好きな相手じゃなきゃこう見えない顔です。二人だけの秘密の顔。この一コマで二人がお互いを「ダイスキ」なのがじんと伝わってきました。
それが刹那のものであっても、永遠につづいていくものであっても、その瞬間の「ダイスキ」は嘘じゃない。二人がこの瞬間お互いを「ダイスキ」な事実だけは何があっても一生消えない。(私はこのコマで大号泣)
……この作品を語るのはここまでにしておきます。
気になる方は、ぜひ「三月の雨」読んでみてください。無期限で読めるダウンロード版で330円、2日間だけ読めるストリーミング版で220円です! お手頃価格なのに内容はとても深く、絵の美しさ、ストーリー、読み応えは保証いたします。サンプルも読めますのでぜひ!

さて、宮子は高校を卒業し、実質的に二川先生と化学準備室で会う日々は終わりを告げます。
その続編を描いたのが、次に紹介する「Sunshower(サンシャワー)」となります。
Sunshower(サンシャワー)
いよいよ後日談「Sunshower(サンシャワー)」です!! ネタバレ無しでこちらも紹介していきますね!
タイトルからも想像される通り、この二人の物語にはお天気が常に背景としてついてきます。それが偶然であれ必然であれ、とても自然に二人をつつむ自然現象。それが物語に影響を及ぼしていきます。(これはネタバレになるので書きません)
高校を卒業した宮子は、二川先生と連絡を取り合っていました。
どうやらデートに出かけるようす!
待ち合わせで宮子を見つけた二川先生は「てか雰囲気変わったな……」と言います。
とてもきれいになった……とは言わず(言えず?)、でもとても楽しそうにふたりはデートをします。
二川先生はデート中ずっと「迷い」を持っています。
宮子にとっての恋人が「自分でいいのか」という迷いと葛藤。
「今の関係は一時の気の迷いだ。だからアイツとの関係はいつか……」
しかしそんな迷いを見透かしてか、天然なのか、宮子は二川先生の心の中にどんどん入り込んでいきます。
その入り方が正しいかどうかなんて彼女はいちいち確かめない。ただまっすぐに、二川先生に向かって突き進んでいくのです。この彼女の想いの強さとストレートなところが私はとても好きです。
セックスシーンが始まっても、二川先生はまだわだかまっています。
宮子はセックスの途中でも、きちんと言葉にして「嬉しい」「大好き」と伝えます。
二川先生の気持ちは揺れ動いていますが、宮子の勢いに押されて、宮子をしっかりと見ます。
そして次のページの左上のコマで、宮子は二川先生の顔を押さえて自分からキスをします。これによって二川先生の中でわだかまっていた、
「俺に向けられた好意の言葉も、いつか他の奴のものになるんだろうな」
というネガティブな感情が、宮子のキスによって押し流されるのです。
ちょっと強引にしないと二川先生には伝わってくれない……。だから宮子は常に全力です。全力で二川先生を愛し、自分を見て欲しいと願い、一緒に歩んでいきたい、そしてセックスでつながりたい……そう伝えるのです。
「ちゅっ」というコマの宮子の目が潤んでいるところが最高にかわいいです。
そして次のコマで宮子は、
二川先生の脳内を自分色一色に、見事に染め上げていくのです。
「考えごとは後にして 今は私に集中して♡」
このセリフが最高です。こんなことを言われて始まったセックスが盛り上がらないわけがありません。実は私もこれを言ったことがあります。相手の男性が、曖昧な関係のままセックスをすることに抵抗があるのか、振り切れていなかったときのことです。
真面目であることは素晴らしいことですが、いざ肌と肌で語り合う場面になったら、もう脳のすべてをセックスに集中させて、二人で乱れ、楽しみたいと思います。この時の宮子もそうだったのではないでしょうか。
真相は本の中に……。サンプル画像で癒されるだけでもこの季節にぴったりですので、ぜひ覗いてみてください。

おわりに
ここから先のセックスシーンはもう貼りません。ただ、宮子は彼女の持つ全部を使って二川先生に思いを伝え、二川先生はそんな宮子に……。
セックスのページは1ページごとにいろんな愛のカタチが可視化されているようです。夢を見ているようです。宮子の表情の変化、二川先生の感情の変化、これが恋愛でないというなら世の中に恋愛ってあるのでしょうか。
この本には後日談のようなおまけページもあります。お天気で言うと、まるで雨上がりのような、まだ少し雨のにおいがのこった道のような、独特の空気感が作品をずっと包んでいます。
「三月の雨」も「Sunshower(サンシャワー)」も同じ空気が流れています。
私はこの二つの作品が、宮子が、心からいとおしいです。
私は宮子より少しお姉さんになってしまったけれど、遠慮とか深読みとか駆け引きとか、絶対したくない。恋愛するなら全力で、命を燃やすように相手の事を愛したい。言葉にして伝えたいし、セックスをすることになったら、その最中は相手のことだけを見て、その瞬間、二人でどこまでも溶け合っていきたい。
愛に遠慮はいらない。
どうしてこんなに好きなのに好きっていうのを我慢して、相手から言わせなきゃだめなの。恋愛指南の本が「男に口説かせろ」といくら書いていたって、私は宮子と同じです。好きって言う。ありったけの愛でぶつかって、後悔のないように生きていきたい。
宮子は、私の一番好きなタイプの女性です。
※セックス中の宮子は、状況により小悪魔になります。そこがまた魅力的なのです。
二川先生に愛されている時の表情と、この小悪魔な表情の両方が宮子なのです。
最後にまとめておきますね。こちらが高校内での二人を描いた「三月の雨」

そして続編の「Sunshower(サンシャワー)」

「週刊同人ピックアップ」で先週すでに語っているのですが、この作品については絶対に個別で語りたいと思い、記事を書きました。エロ漫画で泣ける方、エロ漫画で泣いてみたい方には本気でおすすめです。
外を雨が降っているときでも、この作品を読んでいると気になりません。
雨は、、、そんなに悪いものじゃない。
そんなふうに思えます。
今回も最後までお読みいただいて、ありがとうございました。
今日もこの素晴らしい作品に、そしてお読みいただいた皆様に心からの愛をこめて。
さやか
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