「まいてつlast run!」がもうすぐ発売するのでいまさらながら「まいてつ」をプレイしてみた感想 (共通ルート)

エロゲ

2016年に発売された「まいてつ」の続編にして完結編である「まいてつ Last run!」が2020年10月30日に発売されることが決定しました。 元々は7月発売予定でしたが、コ〇ナの影響で延期になった形です。

なお、2020年秋にはまいてつの世界観を用いたオリジナルアニメ「レヱル・ロマネスク」が放映されることも決まっており、激戦区である10月末商戦でも注目を集めています。

 

というわけでいまさらですが「まいてつ(無印)」をプレイしました

前々から知ってはいたのですが、タイミングの問題でやりそびれており、この機会にやっておこうと思っていまさらながらプレイしてみました。

 

一言でいうと「廃線間際の鉄道を救い、SLで町おこししていくお話」です。熊本県の人吉市をモデルとしたオヒトヨ市(お人好し)という架空の町で、廃線間際の鉄道を守るために工場誘致派をけん制しつつ、壊れたSLを復旧させてそれを観光資源として活用することで町おこしをしていきます。

ラブライブ!とか好きな人に刺さりそうな青春群像劇です。

 

そのうえで、「ライブで優勝して一発逆転!」みたいな展開ではなく、一つ一つ丁寧に話を積み上げていく展開のがとても印象的です。

①うまくいったか?と思いきや次から次へと問題が起きてはそれを解決していくところ
②一人では到底解決できない問題なので、いろんな立場の人の協力を得て少しずつ解決していくところ(個別ルートで別のキャラをプレイすることで「ああ、あの時このキャラはこんなことをやってくれていたんだとわかります)
③「敵対する立場」の人間が存在するが、同じく市のことを思っており、最終的には手を携えて協力しあうところ
④オヒトヨ市だけでなく全国のいろんな人たちの協力を得て問題を解決していくところ

など、丁寧な物語進行が見どころです。

他の人のレビューを見ると「ご都合主義すぎる」という批判的な意見もありますが、個人的な意見としては主人公たちが抱えてる過去の重さや、取り組みの難しさをしっかり描きつつも、人々のやさしさに救われてみんなが笑顔になれる終わり方をするこのストーリーはとてもやさしくて好きです

立ち絵がぐりぐり動くe-moteを活用したり、UI周りにもいろいろ工夫がされていて新しさを感じる一方で、物語としては「古き良きエロゲ―」を思い出させてくれる作品でした。

 

普及版(エロシーンが少なめな以外は正式版と全く同じ)は300円で購入できるので、今からでもプレイしてもらいたいなと思います

 

「まいてつ」(共通ルート)あらすじ

とはいえ、今からだとなかなか手が出ないと思う人もいるかと思うのでざっくりとあらすじを紹介していきます。

プレイ時間としてはだいたい共通ルートが6時間くらい。3人の個別ルートがあって、それぞれ6~7時間になっています。

舞台となるオヒトヨ市は、昔は蒸気機関車と酒蔵で栄えた町だったが今はすたれ気味。列車を廃線にし別の産業を招き入れようとしていた

・市長は鉄道好きということもあり「個人所有」の形で蒸気機関車1両を保有し、観光列車として列車運行することで現状を維持したいとしていたが、議会では工場誘致派の声が強くなっていた。

・観光名所である球磨川も人が減って、ほとんど産業としては成り立たない状態に

・酒蔵だけは未だに保っていたがこのままではどうなるかわからない

・地場の銀行は、地元お越しのため積極的に外部から「エアクラ」工場を誘致しようとしており、そのために採算が取れない列車は廃線にしようとしていた。

主人公は帝都の大学に通っていたが、街を守るために帰郷する

主人公は、幼少時代をこの町で過ごし、水がきれいで蒸気機関車の走るオヒトヨ市を愛していたので、工場誘致に反対して今の町を守るために大学を休学して帰郷する

とはいっても、ただ工場誘致に反対すればよいというものではない。それは独りよがりであって、将来を不安な市民たちのことを考えていないし、賛同してもらえない。

自然を守っても町の産業が成り立たなくなれば結局愛した町は滅びてしまう。 なので、何とかして「エアクラ工場誘致」以外でこの街を盛り上げることができないかと考えていた

「祖父」的存在であった人の遺品を整理していると「ハチロク」という名前の「レイルロォド」に出会う

このこがハチロクです。 国産量産蒸気機関車第一号8620型に付随する「レイルロオド」という存在。 列車に宿る精霊さんみたいなもんだと思ってください。

町のためにハチロクを観光資源にしようと思ったが、ハチロクの本体である「国産量産蒸気機関車第一号8620型」の車両は大破していた

ハチロクは祖父がこの町のために主人公に託した存在だった。

とはいえ、レイルロオドのハチロクは生きていたが、本体である「8620列車」は大破していた。十数年前に事故でこうなったらしい(作品冒頭で列車が脱輪事故を起こすシーンがあったけれどあれは過去のハチロクが大破したシーンなんだろうな……)

運行させて町おこしに使うどころか、修復だけで1億円以上の資金が必要。部品もすでに現存しないものがあり、完全に修復できるかどうかは不明な状況に。 ただでさえ産業が衰退して経営が苦しい市がそんなに金を出せるわけもない。 普通に考えれば絶望的な状況だった。

しかし、ハチロクも主人公もあきらめない。なんとしてもハチロクをもう一度走らせたいと決意し、改めて主従契約を確かなものにするのだった。

オヒトヨ市にあるいろんな人たちと出会ってその魅力を確認し、それらを「経営資源」としてハチロク修復の資金を集めようと奔走する

このあたりからがぐんとおもしろくなってきます。

きれいごと抜きで、ハチロク修復にも町おこしにも人でも金も要ります。 なにより、儲かる産業がないところに人は戻ってきません。 なので、この市にあるいろんな人に出会い、市の魅力を知っていき それらを「ハチロク修復」と結び付けようとします。

(※このあたりの「人集め」のシーンでは名作「Maple Colors」を思い出します。Maple Colorsは個性的な人間たちを集めて「演劇勝負」に挑む話でした。 当時ノベルゲームばかりだったのに、このゲームは画面中を歩き回ってイベントをこなしながら人を集めるという形式であり、ものすごく新鮮な気持ちで楽しめました。 他にもリトルバスターズのTrue Endルートとかね。 またこういうゲームプレイしたいなあ……って思ってたので 似たようなことをこのゲームがやってくれててすごくうれしい気持ちになりました。)

「町おこしの経営資源」という形でいろんな人たちと交友を深めながら一つの目的を達成していく様子が青春物語としてとても熱い!

ちょっとだけ動画を撮ってみました。
Live2Dっていうのかしらん。キャラがぐりぐりうごいて可愛い。

まいてつ 共通ルート11 経営資源の話

こうしていろんな協力者の力を得て、1億くらいなら何とかなりそうだと思ったところに次の課題が降りかかる

1億というのはあくまで車両の修理にかかる費用だけ。保線費用のことを考えていなかった。

資金難で長い間放置されていた路線周辺は整備が全くされておらず、そのせいで事故が起こりそうになる。 急いで対応する必要が起きてしまい、車両の修理だけではなく「保線」や「路線増設」の費用でさらに4億円必要になってくる。 ここまでくると、個人的な支援だけでは絶対に賄えない。

なので、いよいよ銀行からの借り入れが必要になってくる。 では何を担保として差し出すか…という問題になるのだが…・

最初は主人公が保有する資産(エアクラのナビという高価な機械を相続していた)を担保に入れようとした。 しかしこれだけでは2億円しか借り入れができない。 そこで銀行側は「主人公自身を担保とする」ことによって必要な融資を行うと言ってきた。

ここで明かされる主人公の過去

普通銀行は個人にそこまでの担保価値をつけたりはしない。主人公にそこまでの値段をつけたのには理由があり、主人公は一度鉄道事故の際に心が完全に死んでしまったのにも関わらず立ち直ったという心の強さを気に入ったのだという。

そう、主人公は10年前、鉄道事故で愛する家族をみんな失い、その後心がが死んでいたのだった。その後、右田家に引き取られて、長い年月をかけて心を復活させていた

これは、ハチロクが主人公と同様に一度鉄道事故の後心が死んでいたのに主人公の求めに応じて目を覚まし、悲惨な現実を知りながらもまた立ち上がったこととシンクロする。

かけがえのない人を失ってしまった苦しみと罪悪感を抱えて生きている主人公と、同じように自らのマスターを自らの無力さで失ってしまったことを気に病んで心を凍らせていたハチロクの関係は共感で強く結ばれていく。

再び資金問題も解決し、ボランティアで旧国鉄の人なども集まって、いよいよ8620試験運転までこぎつけるシーンは感動的

結局は、主人公に手を差し伸べてくれたのは、今まで事態を知りつつも静観していた右田家の当主であるマクラさんだった。

そうやって資金のめどがついたことで8620復旧計画が進み しばらくしてようやく1kmだけの走行テストにこぎつける。 そのころには、主人公だけでなく「凪」という少女も機関士として仕事ができるようになっていた。

そして、いよいよ発車!

まいてつ 初めての8620試運転シーン

初めて火室にて着火するシーンは、事実を淡々と描いているだけなのに演出とセットでとても気分が盛り上がりました。

試運転が無事に成功し、未来に希望が見えてきたところでルート分岐

ここで共通ルート終わりです。ここから3つのルートに分岐します。

①ハチロクとともに機関士としてつとめるルート
②市長のポーレットとともに市政を中心に街の復興を目指すルート
③妹であるヒビキとともに、街の現場から鉄道を応援していくルート

この記事もいったんここまでとして、後半で「①ハチロクルート」の紹介をします。

おまけ このゲームはプレイしながら鉄道の知識が学べるのも良いポイント

例えば、蒸気機関車が発車するまでの流れですが、上の「初の試運転」動画の内容を文章にまとめるとこんな感じ。

まず①ボイラへの注水  ②注油も完了 ③次に火室で点火して 「ブロワー」を起動 (ボイラからきた蒸気が煙管を抜けて煙突へと一気に抜ける。そして急激な排気に伴って、石炭のある火室内へ空気が一気になだれ込む、という構造) これでようやく着火完了。

これで走れるようになるのかと思ったらまだまだ。初めて着火した際は、そこから走れるようになるまでさらに4~5時間待機が必要になる。なぜなら蒸気機関車は蒸気で走るから。ボイラの水が沸騰し、蒸気が満ちて圧力計の針が常圧に達してようやく走れるようになる。

機体に蒸気が満ちてから、最後にブレーキを解除しギアを入れて、蒸気をシリンダーに流すことでいよいよ発進! 後は加減弁でシリンダーに流れる蒸気量をゆっくりと開放しながら速度を上げていく。

逆に、一度走り始めると定期的にブロワを開くことと給炭を行うことで 「吸気→燃焼→排気(水蒸気が冷えて水になったものはドレンコックから排水)」 のサイクルを繰り返して、走ることができるようになる。

文章で読むと味気ないですが、ゲームをプレイしているときはこういうシーンをワクワクしながら読ませてくれます。

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