2000年~2003年頃のエロゲは、コンシューマゲームよりはるかにお手軽で安上がりな趣味だったと思う

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前回の記事で、鏡先生のエロゲ衰退の話に対し、「具体的なデータがなくて不満だ」というような生意気なことを書いてしまいました。本当に申し訳ありません。

それを受けてなのか、鏡先生が「商業エロゲーが黄金期を終え、縮小した理由についての推論」というnoteを上げてくださっています。業界の中の人でないとわからない当時のエロゲ業界の盛り上がりぶりのエピソードのほか、様々な側面から「データに基づいて」分析・推論を行われています。

商業エロゲーが黄金期を終え、一時的に縮小し、そして復活した理由についての推論|鏡裕之|note
先に断っておく。プレイするのに30時間以上を要した往年の大作のようにクソ長いこの文章は、「商業エロゲー業界は衰退したんだ! もう未来はないんだ!」と嘆き叫ぶために書いたものではない。 ぼくは今も、商業エロゲーの世界に生きている。嘆く欲望は持っていない。この長文をものした目的は、商業エロゲーが黄金期を終え、2016年...

とても読みごたえがあるのでぜひご一読ください。私は団塊ジュニア世代ではないため、当時主流であったとされる団塊ジュニア世代に焦点を当てた分析はとても新鮮で刺激を受けました。鏡先生ありがとうございます。

 

 

とある1ユーザから見た2000年~2003年頃のエロゲ事情

今回は鏡先生の記事への反論ではなく、補足みたいなものとして(補足というとおこがましいのですが)、当時秋葉原近辺に生息していた一人のエロゲユーザの経験を語ってみたいと思います。

もちろん秋葉原近辺以外では事情が違うはずです。 あくまで一人のエロゲオタのサンプルとして参考にしていただければと思います。

 

むしろお金がないからエロゲやってた私

全体の動きはわかりませんが、「ゼロ年代でエロゲプレイヤーが減少した理由は経済的理由が大きい」といわれると、あんまりしっくりこないんですよね。エロゲオタクって本当にエロゲやりたかったら他のもの削っても買うと思ってるので。

また、何よりも 2001年から2007年くらいにかけて秋葉原に近い環境にいた私としては「どのゲームよりエロゲが一番安いしお手軽だ」という感覚でした。 今からすると逆だって言われそうですが、当時は「貧乏だからこそエロゲやる」ってところあったんじゃないかと思います。

 

当時、一般のゲームやろうと思ったらゲーム機買って、ソフトも買って、テレビにつないでってやる必要があるんですが、まずソフト高いし、ゲーム機接続めんどくさいし、当時は読み込み遅かったり難しかったりでイライラゲーが結構多かった気がします。RPGのレベル上げもめんどくさいって感じでした。一つ一つのゲーム時間が長かった。

 

この点、エロゲはとってもお手軽。当時そんなに容量大きくなかった(まだCD-ROMのゲームとかありました)し、ローテクなので動きが重たいとかもないし、ノベルゲームだから読むだけでできる。とってもお手軽な趣味でした。この当時は長いといっても15時間から20時間でできることもあり、ちょうど1週間に1本消化できるペースだったのもよかった。

 

体感的なエロゲの価格は一本8800円じゃなくて「買値と売値の差額=2000円~2500円」でした

しかし何より大事だったのは値段です。繰り返しになりますが、ほかの人はどうか知りませんが、私にとっては「エロゲの方が一般のゲームより安い」という感覚でした。どういうことかというと…

 

秋葉原や関西のなんばなど、都市圏であればソフマップという店舗があります。このソフマップが近くにある場合、 中古店を利用してどんどんゲームを回転させていくことができるんですよね。

なので、買ったまま売らずに持っておくゲームは年に数本。とにかくプレイしてクリアしたらすぐに売ってその金で新しいゲームを買う が当たり前だった。いつも地下の中古買取コーナーには行列ができてました。これにより、ゲームにもよりますが一本あたり2500円から3000円くらいでゲームが遊べるという感覚でした。(さらにいうと買取価格をポイントにすると還元率がアップしたり、購入価格の10%以上がポイント還元される、という仕組みだったので、常に未消化のポイントを持っている状態で購買意欲が高かった)

そんなわけで、エロゲは安いし、ゲームテクニックも要らないし、それでいてそこそこ満足感が高いという存在だったんですよね。一般ゲームをやってる人の方が最上級の体験を求める「ハイエンド」側であり、貧乏な私は、むしろ経済的な理由でエロゲを選んだというわけです。

当時の若い社会人や大学生たちもそんなにお金を持っていたわけはないはずですが、かなりの割合のユーザーがその時の年間1位~10位の作品は全部プレイ済みということがざらにあったことから考えても、時間だけでなく「安くゲームをプレイできる」環境だったのは間違いないと思います。

 

特にエロ目的のいわゆる「抜きゲ」はこういうふうに回転させている人が多かったはずです。更にいうと抜きゲは数人で共同購入してソフトを貸しあうケースなどもありました。穴兄弟ならぬエロゲ兄弟……アカン。

ここまでのまとめ
要するに2003年頃のエロゲ事情として

①値引き無しで買って、そのまま売らない一部のVIP客

② 買ってクリアしたらどんどん売って新しいのを買うボリュームゾーン(一般客)

がいた。一般ユーザーが基本無料でヘビーユーザーがゲームを支えるソシャゲの構造を緩くしたような感じ

 

「エロゲの奇妙な構造」が崩れたのは2003年頃だったような気がする

そういえば、ちょうどAUGUSTのが新作「はにはに」を出した頃(2003年9月)あたりから、私はよほどの作品でないと新品を買わなくなりました。

 

中古価格の値崩れがひどいことになってきたからです。 時期がずれてるかもしれませんが、このあたりからDVDーRWが安くなってバックアップが一般化したのかな?とか考えてます。DVD-RW自体はもうちょっと前から出てたはずなんですけどね。

これも「割れ」というのか定義はよくわかりませんが、買ったゲームを自己バックアップする人が急に増えた印象です。そのせいか買ってすぐ売りに来る人が増えて中古がすぐ安くなるから、新品で買ってしまうと今まで2500円感覚だったものが4000円くらいになるみたいな感覚でした。それなら初回限定グッズ目当てでないならみんなちょっとだけ待ってから中古買うよね、と。今から思うとひどいはなしだなって思うんですが、もともと貧乏だからエロゲやってるみたいな人間が考えることってこんな感じですごい打算的で浅ましかったりするんですよ。。。

とにかく、こうなったことで 「初回版買ってもらえて、しかもそれが売られない」ソフトを作れる会社と「ユーザーにとっての優先度が二番手三番手=中古で買われてしまう」会社で一気に格差が広がった感じがします。

 

ライトなユーザーが中古に流れそうになった時に、初回出荷版の売り上げだけが売り上げになるメーカー側はどうすればよかったのか?

そして、こういう実情があるのに、メーカーは初回版買ってもらわないと中古がいくら売れても儲からないという構造だったはずですよね。

ユーザーが中古に流れ始めたときに構造ごと変えなきゃあかんかったんじゃないかなと。 でもそこで初回限定版グッズ商法とかとかコピープロテクトになって構造維持しちゃった感じがします。

まず抜きゲーの会社を中心にコピープロテクト対策が一気に広がりました。 あとニトロプラスが早くから認証みたいなの始めたのと、minoriがよくわからん仕組みを採用したせいでゲームが止まりまくったのが印象に残っています。

(※割れのことをよく知らないので間違ってるかもしれませんが、正直、割れ対策というよりこっちの「自己バックアップ→中古」の動きを撲滅するのが結構大事だったんじゃないかなと。割れする人はもともと金払わないし無理だったらやらないだけかなと。ただこのあたりはよくわかりまへん。 当時あまり深く考えてなかったから時系列とか無茶苦茶で混ざってるかもしれません。)

ともかく、割れ対策だったのか中古対策だったのか、それとも売上が下がってきたことへの対策かなにかはわかりませんが、コピープロテクトとかが急速に広まりました。

有名メーカー以外だと初回出荷の本数が急激に絞られて予約必須になったりして明らかに業界下向き感出てきたなーって思ったのが2003年くらいだったので、統計でもパッケージエロゲの売り上げ総額は2003年頃がピークといわれるとすごくしっくりきます。

コピープロテクトなどと並行して、ユーザーとのエンゲージメントを高めようとした企業も多かった

ただ、この頃の事情がもたらしたものとしてユーザーとしてはとてもありがたい面もありました。

各メーカーはHPや、ライターによる雑誌へのコラム寄稿を通じて、ユーザーとのエンゲージメントをすごく高めようと工夫してたなと思います。

特に当時の「電撃姫」はすごかった。王雀孫や中央東口のコラム、それからソフトハウスキャラの佐々木氏のコラムなどが毎号載っており、それを楽しみに読んでいました。遅筆で有名な王雀孫氏が、毎号欠かさずにコラム書いてたんだぜ?雑誌で連載しているマンガなど、雑誌独自の企画も面白かったです。

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当時のエロゲのローンチ前の仕掛けとか、ファンクラブへの誘導という目的はあるにせよ自社を好きになってもらうためのサービスとか、今から考えるとすごく楽しかった。

 

だいたいfate発売前までの秋葉原の雰囲気ってこんな感じだったと思うのですがいかがでしょうか?

「全然違うわこのハゲー!」「自分の場合はこんな感じだったよ」って話があればぜひ聞いてみたいです。

 

ここから先もfateの衝撃と淘汰とか、エロゲ雑誌の変わり方がえぐかった話とか、戦国ランス祭りのときの記憶とか、それぞれいろいろと語りたいのですが今回は2003年末くらいまでの話ということでいったん切り上げます。

私自身の話をすると、この後2009年に職場移転があり、秋葉原に行けない環境になってしまったのと「Baldr Sky」をプレイした後、このゲームが大作過ぎてすっかり満足してしまい、これ以上のエロゲは暫くでないだろうという気持ちになってしまったのでほぼ引退状態になりました。

Baldr Sky1&2(超名作ですがプレイ時間が60時間くらい必要です)
そのあとは「素晴らしき日々」「WhiteAlbum2」「ランスシリーズ続編」「つり乙」「グリザイア」「サクラの詩」などを1年に1作品ずつくらいプレイするだけで、エロゲプレイヤーとして復帰したのは2018年になってからですね。

 

最後に。

こんな感じで時々エロゲ昔語りとかしつつ、最近またエロゲやり始めたのでおすすめエロゲ紹介したりしようと思います。記事に興味持っていただけた方、よろしければTwitterフォローとか読者登録お願いいたします。

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